Re:flect U

 2002年10月15日-16日《Re:vale LIVE GATE “Re:flect U”》が開催された。
 たくさんのライブレポや感想ツイートを見て頷きまくったけれど、自分の覚え書きとして残しておきたい。

チケットと会場キャパ

 Re:valeのことはもちろん好きだけれど、現地への申し込みはどうしても躊躇してしまう。
 だって、会場キャパがどう考えても小さ過ぎる。チケットの申込画面に誰推しかなんて記入欄はないわけだし、乱数やらなんやらそのへんのことはよくわからないけれど「壮五推しのわたしが当選してRe:vale最推しの人が落選でもしたら」という、考えたところでどうしようもない不安が拭えそうにない。
 家の事情で地元を離れられないタイミングだったこともあり、開催告知があったその日のうちに、ライブビューイングにしようと決めた。

夢みたいな2日間と後夜祭

 セットリストはライブ後にランティスが公開したものを参考にしたい。

 DAY1、映画館に着いて、念のため飲みものを買ってから着席した。Re:valeなら「Re:valeに乾杯」があるかもしれないと思ったから。この予想は的中した。
 いったいなんの曲から始まるんだろうとそわそわしながら、ペンライトをRe:valeの色に設定する。持ってきたのは《アイドリッシュセブン 1st LIVE「Road To Infinity」》の時のペンライト2本だ。この判断はDAY1のライブ中盤で正解だったと確信することになる。
 開演時刻が近付くにつれ、スクリーンに映し出された会場客席も、自分がいる映画館のスクリーン内も、ライトの数が増えていく。ペンライトは必須ではないけれど、やっぱり、あったほうが楽しい。
 会場が暗くなり、いよいよライブが始まる。さぁ、どんなふうに登場するんだろう。DAY1ライブビューイングのチケットにB列と書かれていたわたしは、首が痛くなる覚悟でスクリーンを見上げた。

生バンドの迫力

 音が聞こえ始めてすぐ、全身に鳥肌が立つ。生の音だ。
 衣装替えの時間を外部の演奏者にお願いするケースはこれまでにもあったけれど、今回は、ステージそのものにバンドの方々が演奏するスペースが設けられている。ライブそのものを生バンドでやるつもりなんだ。まだ歌い出してもいないのに、早くも感動でペンライトを持つ手が震えた。
『NO DOUBT』から『Period Color』と、ライブの出だしにぴったりな、のりやすい曲が続く。まだ2曲しか聴いていないのに興奮し過ぎて、ペンライトを持つ手に力が入っていた。
 続く『夢雫』は緩急差が特徴的な最新アルバムの新曲で、とにかく腕を振るのが忙しい。Aメロに身を委ねっぱなしだとサビ直前で追いつけなくなり、サビに入った途端振り落とされてしまう。サビで必死にペンライトを振りながら、ふと、この曲はバングルライトのほうがいいなと思った。手首にストラップを通していても「こんなに振っていたら飛んでいくんじゃないか」と不安になるほどの疾走感。

 どきどきとわくわくでペンライトを握っていたわたしは、その次の曲で情緒を激しく乱された。
 アニメ3期2クール目の放送が始まったばかりというのもあるかもしれないけれど、たぶん、アニメがこの時期じゃなかったとしても『太陽のEsperanza』を平然と聴くことはできなかったと思う。ハンドクラップをと言われ、ペンライトを片手にまとめて持った状態で手首を叩く。叩きながらものすごく泣いてしまった。アプリ3部でこの曲が実装された時の驚きと感動がそのままよみがえってきたから。
 今は3部のストーリーライブで編成の条件は求められていないけれど、2017年当時、ストーリーライブでこの曲が出てきた時は、クリア条件のひとつに『Re:valeとTRIGGERで編成する』というものがあった。重複メンバー不可。まさしく、TRIGGERがバックダンサーとしてステージに現れた時の顔ぶれを条件のひとつとされたストーリーライブ。熱いものがこみ上げた。――それを、思い出した。
※今と同じで3つのクリア条件のうち2つを満たせはストーリーは解放されるので、ガシャに振り回されて編成条件が満たせない場合は他2つのクリア条件を満たせばいい。

『星屑マジック』のあとにも、いたく感銘を受けた。管楽器のサウンドが印象的な『Re-raise』で、まさかのギター演奏。そして、曲の冒頭から繰り広げられる派手なAR演出。客席にまで及ぶAR演出は《IDOLiSH7 LIVE BEYOND “Op.7″》にもあった(DAY1で桜の木の養分になった)けれど、今回のは動きが大きい。ステージの上を見ていたいのに、時刻表度外視の頻度で通過する電車に視線を奪われそうになる。ライブレポで絶対に話題になる部分だと思った。

ペンライトで遊ぶ

『t(w)o…』を聴きながら、4部ラストのことを思い出し、4部も早くアニメになってほしいなぁなんて思いながら迎えた『TO MY DEAREST』では、ステージ上の方々がペンライトを片手に並んでいた。
 ライブビューイングで観てから数日経つけれど、この曲でのペンライトの振りは今でも思い出せる。DAY1ではRe:valeカラーが9割以上だったライブビューイング会場も、DAY2では白に変える人が多かった。

 センターステージであちこちにファンサービスをしながらの『ココロ、ハレ晴レ』やライブ後半戦にこそ聴きたいと思っていた『Start Rec』で、乱されまくった情緒を整える。もうここまできたらなにがきても大丈夫だと思っていた。しかし、次の曲でまた情緒が乱される。『100%ハピネス』だ。
 単独ライブとはいえ、ステージ上でソロ曲を歌ってもらえるとは思ってもみなかった。しかも振付がめちゃくちゃかわいい。えっ? えっ? と混乱しながら、サビのところではペンライトの先で100を描き、無限大と歌われたら無限大を描いた。ライブビューイングで座っていたから叶わなかったけれど、現地にいたら間違いなく飛び跳ねている。Re:valeはアイドリッシュセブンの中でもジャンプする曲が多いほうだけれど、1曲の中で小さく飛び跳ねる回数はこの曲が一番多いんじゃないだろうか。曲の締め括りで一度だけ全力ジャンプするのではなく、サビの間ずっと小さくジャンプするんだ。
 それまでは2018年の誕生日企画だから0時に聴いたとか、めちゃくちゃかわいくて元気が出る曲だけれどイベント曲でのEXPERT+の譜面が苦手という思い出しかなかったのが、このライブで歌われたことで、「かわいい振付のある曲」という思い出が増えた。セットリストを考えてくださった方々、ありがとうございます。

リフレクト

 本当なら全曲書いていきたいところだけれど、文章の長さが気になって、どうしても駆け足になってしまう。ただ、両日アンコールのラスト『ミライノーツを奏でて』の演出には触れておきたい。
 モニターに映し出されるアニメ2期ED映像。百の手から花弁が舞ったとともに、ARで会場にも花弁が舞った。本当に、ずるくて、粋な演出だ。
 そしてなにより、彼らがゲートの向こうへと帰って行ったあと、モニターに映し出された文字。
 ”It’s ALL for you”――アニメ2期特殊EDのタイトル『It’s ALL-for you-』を思い出す。確かにこの曲は単独ライブでは歌われなかった。特別な楽曲だからかもしれない。でも、この画面でその言葉が見れてよかったな……そんなことを思っていたら、youがUに変わった。最後の一押しみたいな涙が出た。
 このステージはライブの成功を祈った人たちのためのもの。でも、《Re:flect U》のUの文字を出すことで、意味が増す。わたしたちの気持ちが届いていると言われたみたいだった。まるで、光を反射したみたいに。

 アイドリッシュセブンの世界の中で、Re:valeは「絶対王者」と呼ばれるアイドルだ。それは、CDの売り上げや、ライブのチケットの激戦っぷりだけではなく、彼らのカリスマ性含めてのものだと思っている。
 先述のとおりライブビューイングでRe:vale単独ライブを観たわけだけれど、終始、圧倒されっぱなしだった。これがブラホワ総合優勝者の実力、これが絶対王者――映画館のスクリーンから、目が、離せない。
 椅子に座ったままペンライトを振るってちょっと難しくて、気を付けていないと肘置きにすぐ肘をぶつけてしまう。でも、肘置きを気にする余裕がなかった。2日間とも肘を何度もぶつけたし、「Re:valeに乾杯」するためにコンセッションで買ったドリンクの蓋に2日間とも指をぶつけた。DAY2では蓋がずれてしまったが、視線は画面に向けたまま、片方の手でペンライト2本をまとめて持ち、もう一方の手で蓋をかぶせ直した。そのわずかな時間すら、Re:valeに捧げたかったのだ。

現実か、夢か

 2018年開催《アイドリッシュセブン 1st LIVE「Road To Infinity」》・2019年開催《アイドリッシュセブン 2nd LIVE 「REUNION」》・オンラインライブとなった2021年開催《TRIGGER LIVE CROSS “VALIANT”》とも、終演後に「アイドリッシュセブンは現実!」と興奮していたが、《IDOLiSH7 LIVE BEYOND “Op.7″》のあと、なぜか「アイドリッシュセブンは現実」という言葉は出てこなかった。ただ、ただ、「夢みたいな時間」という気持ちでいっぱいで、現実の「げ」の字も出ない。
 夢は現実にいるからこそ見れるものだと痛感した。アイドリッシュセブンプロジェクトが目指している「アイドルの創出」は、こういう感情を呼び起こすことなのではないか。

 2023年2月に開催される《ŹOOĻ LIVE LEGACY “APOŹ”》も楽しみでならない。

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