コイイロパロディシネマ

概要

2020.02.16発行 成人向 頒布終了

文庫サイズ 226ページ(約99,000文字)
頒布価格 1,000円 通販価格は異なります

カバー:マシュマロ110kg(ホワイト)
表紙:色上質最厚口(コスモス)
本文:書籍用紙62kg(クリーム)
加工:カバーにベルベットPP

 ここは、環も壮五もアイドルをしていない、どこか別の世界。
 それでも二人は出会い、強く惹かれ合った。初めての恋、初めてのくちづけ、初めての――まるで純愛映画のような展開や、王道ラブコメ路線、熱情を抑えられず強引に関係を迫る危ういもの、種族をこえて恋に落ちたものまで、八編+おまけの一編で送る、さまざまな世界線での二人の恋模様。四葉環×逢坂壮五パロディ傑作集!

発行にあたって

 あとがきにも書いた通りですが、2019年3月発行《性的ロールプレイ》の原稿中から、イメージプレイだけではなくパロディも書きたいなと考えていました。
 できるだけ似たようなラインナップにしたいと思い〝星巡り・メカララ・アイナナ学園・アイナナコーポレーション・アイナナロマン・アイナナ警察・メルヘンドリーム〟の七編はそのまま採用、本に収録する残り一編+QRコードから読んでいただくおまけSSをなににするかと思案していたところに、2019年4月のファン感謝祭Vol.4で『妖万華鏡 空虚咎送り』の衣装ラフが公開されました。イベントストーリーを読んで書きたい気持ちから、発行時期も2020年春頃にしようと決まりました。
 先述の七編を書き進めている最中に、まったく予想していなかったゲーム内での『DUSK TiLL DAWN』イベントが告知された瞬間に、おまけSSでどのパロディを書くかも決まったんです。
 これだけ意識していることから、絶対に《性的ロールプレイ》と同じページ数にしたい、カバーの手触りも同じにしたいと……この本は、その一心で書いたものになります。本文用紙も同じにしたかったのですが、印刷所でのその紙の取り扱いが2019年12月に終了してしまったので〝完全に同じ装丁〟とはならなかった点は少し残念です。

タイトル

 ひと目見てパロディものだとわかるようにしたくて、かなり早い段階から、タイトルの中に〝パロディ〟という単語を入れるつもりでいました。
 収録されるパロディの多くが、ゲーム内で〝映画〟〝ドラマ企画〟という設定のものだったため、それを連想できるもの、なおかつ、(声に出すことはないけれど)声に出した時に語呂がよさそうなものとして〝シネマ〟を採用。
 ただ、単語ふたつではしっくりこなかったので、タイトルが長くなるなぁと思いつつ、収録される八編の共通点〝両想いエンド〟と〝初夜描写がある〟ことから、恋と色の二文字を入れました。

本の見た目

 タイトルにシネマと入れたので、それっぽい色合いとフィルムをというのも、タイトルを決めた直後に浮かびました。ただ、濃色が全面……特に端のほうにべったりと塗られていると、ベルベットPPの持ちが少し悪くなってしまうので、色合いはかなり変えました。
 絵で表すことができないぶん、情報は文字がすべてなので、なにが収録されているかをカバー原稿に書いています。

解説

「貴方も、私と同じ気持ちなのでしょう? 貴方がここを去ったあと、貴方と再びこのような時間を過ごせるのはいつになるやら……どうか、このミステーロを離れる前に、一度でいい。私を抱いてはいただけませんか?」

【スターライト・ノクターン】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:星巡りの観測者
 これは『性的ロールプレイ』ラズベガ編で壮五くんが言った言葉とまったく同じものです。他にも、その話に出てきた台詞を引用しています。本をお持ちの方なら見比べられますし、もし、お持ちでなくてもサイト内に《ラズベガごっこ》というタイトルで全文掲載しているので、探していただけるのではないでしょうか。

「なんで? 恥ずかしいけど、おれしか見てねえじゃん。おれだって、舐められたの、ちょー恥ずかしかった。でも、すっげえ気持ちよかった。多分、恥ずかしいことって、気持ちいいことなんだよ」

【ハートビート・ララバイ】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:MECHANICAL LULLABY
〝恥ずかしいことは、気持ちいいこと〟――これも[性的ロールプレイ]アプメイ編で出てきた言葉をもちいています。ただ、そちらでは環くんが「恥ずかしいことは気持ちいいこと」と断定しているのに対し、このアプリルさんは「多分」とつけています。
 これは、生殖行為が可能な人間と、恐らく生殖行為を必要としないであろうロボットドールの差です。

「ものわかりがいい生徒も好きですよ。さて、本題に戻りましょう。四葉くん、服を脱いでください」

【シークレット・ヴァンパイア】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:アイナナ学園
 逢坂壮五先生はツンデレ教師なので、デレることなく性交渉に及び、ふとしたきっかけでデレるんだろうなという考えから、逆レに至りました。
 本を発行する前にpixivに全文掲載しました。サイト内でも《魔女先生の秘密》で掲載しています。

「勝手に風呂覗いたのだめだけど、変態はそっちじゃね? ケツからホース生えてっし」

【クレイジー・ランデブー】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:お掃除大作戦
 お掃除大作戦だから腸内洗浄! という短絡的思考からできた話です。とんでもないところを見られても、喘ぎまくっている時以外はケツをお尻だといちいち訂正するところを大事にしました。訂正している=まだ余裕があるということです。

 現在の窮地を脱する手段は、もはや舌を噛み切って相手の興が削がれることに期待するほかない。

【マリッジ・ロマンス】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:アイナナロマン
 アイドルをしている世界線の二人なら、わたしはまず書かない、同意がないまま最後までする攻め→受けへの無理矢理な行為です。
 この話については一時期、本に収録するか、見たくなければ視界に入れずに済むおまけSSにするかで揺れました。最終的には、本をつくろうと決めた経緯である〝イメージプレイ本と似たラインナップにしたい〟という気持ちを大事にしたかったので、本に収録しています。それぞれの話に中扉があり、注意書きができるというのも決め手です。
 他の話はおまけSSも含め、すべて環くんに対して壮五くんがご奉仕している描写がありますが、この話は性描写率を極力下げた話にしたかったので、敢えて入れませんでした。
 また、初めは旧字体を使って話を書き進めていたのですが、旧字体に画数が多く視認しづらい漢字・難読につきルビ(振り仮名)をつけたほうが好ましいと思われる漢字があまりにも多く、行と行の間の空白を考えると、ルビをつけることで読みづらくなってしまうことに気付いたので、旧字体は使用しないことにしました。
 かなり人を選ぶ話だと判断し、本書のサンプルをpixivに掲載する際に全文を掲載しました。

 彼はNo.6――環たちがよく通っていた喫茶店のマスターだった男――と同様、勾留期間の最大日数である二十日間いっぱい、検察の取り調べを受けていたが、大和から洗脳されていただけの二人から得られる情報がなにもなかったということもあり、最終的には不起訴処分となった。

【センチメンタル・テロリスト】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:アイナナ警察
 実際のところは(新人警官・七瀬陸誘拐監禁事件の現行犯の一人だし)なにかしらの罪に問われるのだろうけれどと、それでも話の時間軸を事件後にしたのは〝でもこのあと二人は敵対するんだよな〟というのを考えずに読める話にしたかったからです。

「……俺、ずっとさみしかった。一人だったから。これからもずっと一人なんだなって思ってた。でも、そーちゃんと会えた。俺、そーちゃんがいてくれたら、さみしいのなくなる。だから、これからもそーちゃんと一緒にいたい。そしたら、そーちゃんもさみしいのなくなるんじゃねえの?」

【スウィート・ホーム】-コイイロパロディシネマ

 テーマ:メルヘンドリーム
 この本の中で一番初めに書いた話はこれでした。
 環くんのこの言葉は、これがメルドリパロだからというだけではなく、アイドルをしている世界線の環壮もこうであってほしいなという思いで書いたものです。
 本を発行する前にpixivに全文掲載しました。サイト内でも《スウイートホーム》のタイトルで掲載しています。

「伍番勝負の時にも言っただろう。お前と命の遣り取りがしたい。命を賭けた本当の戦いが望みだと。こんなにも、お前に焦がれているんだ。再会し、刀を交えたくらいで俺が満足すると思うか? 俺は勝負の場以外でも、命を懸けて、お前との想いを遂げたい。約束された地位や国より、お前こそが、俺の望むものだ。正しい在りようは、俺が決める」

【スカーレット・スカイ】-コイイロパロディシネマ・おまけSS

 テーマ:妖万華鏡 空虚咎送り
 この話に出てくる楓佳の言葉はどれも雲楓だからこそ絶対に書きたいものばかりを詰め込みましたが、特にこの言葉は入れたかった。気高くて凛々しく、家のためという義務感ではない本当の貪欲さが芽生えた楓佳なら、伍番勝負だけで満足しない。事実、後日談で毎日のように手合わせをしているということですし、毎日彼を求める彼なら、イベントストーリー同様、情熱的な言葉が似合うと思っています。
 本を発行する前にpixivに全文掲載しました。サイト内でも《茜色の空》のタイトルで掲載しています。

「すみません、僕、でも……タマソニーさんに喜んでもらいたくて、そのためには勉強しなきゃって」

【マシンガン・トーク】-コイイロパロディシネマ・おまけSS

 テーマ:DUSK TiLL DAWN
 きっとタマソニーさんに尽くそうとあれこれ頑張るタイプなんだろうなぁという想像を詰め込みました。
 おまけSSはもともとPrivatterで公開していたもので、本の発行から半年経過後、pixivに公開しました。サイト内でも《マシンガン・トーク》のタイトルで掲載しています。

おわりに

 原稿中は何度もラビチャ・ラビTV・イベントストーリー・ノベライズ・一番くじブックレットを読み返しました。
 いつも複数の文章を同時並行で書いていることが多いのですが、口調や性格設定が混ざらないよう、この本に限っては一編書き終えてから次というようにしていたので、自分としては少しぎりぎりの進捗だったように思います。

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