性的ロールプレイ

概要

2019.03.31発行 成人向 頒布終了

文庫サイズ 226ページ(約103,000文字)
頒布価格 1,000円 通販価格は異なります

カバー:マシュマロ110kg(ホワイト)
表紙:色上質最厚口(コスモス)
本文:書籍用紙57kg(ロゼ)
加工:カバーにベルベットPP

「環くん、今夜は自分のことを〝私〟と呼んで、少し、かたい口調で僕に接してくれないか。僕に合わせず、自分の欲のまま、少し乱暴な感じに振る舞ってほしい」壮五のその言葉から始まった数々のイメージプレイ。
 イメージプレイにのめり込んでいくうちに明らかになる、壮五が抱えていた気持ちと、それに対する環の答え。――○○パロではなく○○ごっこ(イメージプレイ)をする環壮の話を8編収録。

発行にあたって

『星巡りの観測者』でラズとベガに会話がなかったのが悔しくて、《ラズベガごっこ》を書きました。ラズの見た目は絶対に壮五くんの好みでしょうし(カプ脳)、あの格好で迫られてみたいとうちの環壮の壮五くんなら思うからです。本編で接点がなかったなら、本編じゃないところで接点を設ければいい。あの本編なら、イベントストーリーの幕間で出会っているはず。
 他の衣装でのイメージプレイを示唆したところで話が終わったので、他の衣装でもイメージプレイをする環壮を書こうと思いました。
 星巡り以外では、どの衣装なら書けそうだろうかと、アプリのギャラリーを開いて、過去の一番くじや一番くじカフェのウェブサイトを見て。衣装を着るだけでなく映画やミニドラマをやったという設定のもの(メカララ・アイナナ学園・お掃除大作戦のアイナナコーポレーション・アイナナ警察)を優先、次点で環壮界でこれは外せないというもの(アイナナロマン・メルドリ)を選びました。恋かけのドラマもいいな……などと考えたものの、既に挙げたものだけでも本にするとそれなりのページ数になりそうだと気付いたので打ち止めに。おまけSSの内容も、この時点でぼんやりと決まっていました。
 映画やミニドラマものはイベントストーリーやアイナナ学園のノベライズを読み返し、とりあえず書き始めてから、そういえばラズベガごっこの時に潮吹きさせたんだから他の○○ごっこでもなんかさせようと思い立ちました。どのイメージプレイにどれを当てはめるかは書きながら考えて、挿入に至らないものが二作ありますが、挿入に至ったものは見事なまでに中出し上等な話ばかりになっていました。環壮がエッチなのが悪い。
 ○○ごっこという章タイトルではちょっと情けない(?)かなと思い、本文をすべて書き終えてから章タイトルを捻り出しました。
 目次と扉ページをつくったのは、カバー原稿で内容を把握していても「これとこれは読むけどこれは飛ばしたい」みたいなものがあった場合のためです。
 扉ページをつくったら一作ごとの最終ページの次が白紙になってしまうことに気付いて、完全白紙ページをつくりたくなかったので、モノローグだけで完結する150文字前後の○○パロを載せることにしました。

タイトル

 単語を検索すれば普通に出てくるんですが、性的ロールプレイ=イメージプレイです。
 当初は『○○ごっこ』とか『イメージプレイ』という言葉をそのまま使おうと思ったんですが、あまりにもあからさま過ぎて、ちょっとそれはどうなんだろう……という思いから、単語の言い換えで凌ぐことにしました。

本の見た目

 特殊性癖が複数含まれるため、読む前にわかっていたほうがいいだろうという考えから、含まれるプレイをカバー原稿に列挙することにしました。いやでも目に入るからです。
 当初はロールプレイ=RPGを連想してゲーム画面っぽいものにしようと思ったんですが、文字の情報量が多過ぎるせいでどうしてもまとまりが悪くなり、ロールプレイ=プレイリストにしようと決めて、音楽や動画の再生リストのような配置にしました。
 カバーのベルベットPPは〝R-18全振りの本なら手触りがしっとりしているほうがいいに違いない〟という考えから決めたものです。本文用紙がほんのり赤みのあるものにしたのも〝R-18ブックという感じがするかな〟という理由でした。
『細かいことを気にせず読む本』マークはニクヤ乾様のツイートからお借りしました。

解説

 交際を始めてからしばらくは、環の初めての相手が同性の自分で本当によかったのかという不安から、なにかと愁いを帯びた表情をすることの多かった壮五。今の壮五に当時の面影はない。嬉しい反面、振り回されてしまっているのがなんだか悔しい。

【ステラ・ファースト・ナイト】-性的ロールプレイ

 テーマ:星巡りの観測者
 本に収録する一番最初の話なので、二人の力関係のようなものを書いておこうと、この一文を入れました。

「いいじゃん。おれしか見ない。これは、恋人同士がすることだから。恋人同士がする恥ずかしいことは、気持ちいいことなんだよ」
「恥ずかしいことは……気持ちいいこと?」

【ピュア・インプット】-性的ロールプレイ

 テーマ:MECHANICAL LULLABY
 このやりとりはそのあとの話にも影響します。

「見たい……? 先生の、エッチなところ……お願いって言ってくれたら、見せてあげてもいいよ。プリーズをつけて、丁寧にお願いして」
 ドラマを思い起こさせる言い回しに、頭の中がかっと熱くなった。

【セクシャル・ペナルティ】-性的ロールプレイ

 テーマ:アイナナ学園
 これはノベライズを読み返した時に、絶対に本にも盛り込もうと思った部分です。

「えっと、……あのドラマではコットンと連立しただろう? だから、今度は環くんと連立したいなって」
(中略)
「なんだよ、俺と連立って……」
 そもそもコットンと連立だって、あの企画ドラマを演じきったあとも、結局わからないままだったのだ。なんだ、連立って。
「僕だってなにが連立なのか、完成したドラマを見てもわからないままだけど、こういう時の連立といえば性行為かなって」
「スマホによくあるエロ漫画の広告みたいなこと言うなよ!」

【クリア・コットン】-性的ロールプレイ

 テーマ:お掃除大作戦
 2018年秋、お掃除大作戦イベントでマネージャーたちをざわつかせた「コットンと連立」のワード。エロ同人みたいな響きだなと当時から思っていたので使いました。
 シックスナイン・顔射・尿道責め・おもらし……と、かなり人を選ぶ話だと判断し、本書のサンプルをpixivに掲載する際に全文を掲載しました。

「環さん、二週間もの遠出をなさっている間、どうされていたんですか? 貴方なら社交界にも顔が利きますから、夜伽の下女を見繕うことも容易でしょうが……」

【ロマンティック・メロディ】-性的ロールプレイ

 テーマ:アイナナロマン
 このあたりはカード絵のあの時代設定に近い単語を選びました。そういえば下着が現代のままだったなとこれを書いていて気付きました。
 そしてこの話で、メカラライメプの時に出てきた〝恥ずかしいことは、気持ちいいこと〟が出てきます。
 本を発行する前にpixivに全文掲載しました。サイト内でも《貴族の息子と書生さんごっこ》のタイトルで掲載しています。

 もっと好きになってもらって、気持ちよくさせて、心も身体も環なしでは満足できないようにしたい。さみしい気持ちになんて、もう、二度となりたくない。だから、壮五の求めにはできるだけ応えてやろうと学んだのだ。

【ハート・テロリスト】-性的ロールプレイ

 テーマ:アイナナ警察
 環くんは変態ではないと思っているのですが、ここまでで――本そのものを読んでくださった方はおわかりの通り、ひとつひとつのシチュエーションは異なるものの、すべての話は繋がっているので、星巡りからこのアイナナ警察まで――複数のイメージプレイをさせてしまっています。ですが、環くんが健気に壮五くんの要望に応えている理由を、そろそろクライマックスが近いここで書こうと思い、盛り込みました。

「それで、ラズの格好して、ラズみたいにしゃべれって?」
 環の質問に、こくりと頷く。壮五が数々のイメージプレイを持ちかけるようになったのは、あれが最初だった。劇中で接点のなかったことがさみしかったと言った壮五。

【プリーズ・イート・ミー】-性的ロールプレイ

 テーマ:メルヘンドリーム
 本編としては、この話がクライマックスです。環壮界でこれは外せないともいえるメルドリ。星巡りイメプで冒頭からかっ飛ばしていた壮五くんの、暴走の理由はやはりクライマックスのここで書くべきだと判断しました。

 揺さ振られながらそう思い起こし、帰宅した環が眠っている壮五を見て、四年前のやりとりを思い出したのだろうと理解した。心優しい環のことだから、そのまま寝かせてやりたいと葛藤したに違いない。

【スリーピンク・ステラ・ナイト】-性的ロールプレイ

 テーマ:星巡りの観測者
 本に収録されているものですが、番外編のようなものです。4年経過しても、壮五くんの言った些細な願望をきちんと覚えている環くんという話でした。

 一時期、壮五の提案で、仕事で演じた役になりきってセックスをしていたことがあった。先日、懐かしくなってその話題を出したところ、壮五が「(中略)まだだったね」と言い出したのだ。

【プライベート・エステ】-性的ロールプレイ・おまけSS

 テーマ:ドラマ「恋のかけら」
 本編がすべてが繋がっている話なので、以前の話で話題にのぼった以上は書かないわけにはいかない。そういう思いから、おまけとして、奥付にQRコードを掲載しました。あとがきでおまけSSの存在に触れたとはいえ、面倒ではないだろうかと思ったのですが、思っていた以上に読んでくださる方がいて、ありがたいなと思いました。
 おまけSSはもともとPrivatterで公開していたもので、本の発行から1年半経過後、pixivに公開しました。サイト内でも《プライベート・エステ》のタイトルで掲載しています。

おわりに

 R-18に全振りするために(?)淫語もハート喘ぎもなりふり構わず書いたことで、この本の原稿以降、淫語やハート喘ぎを書くことへの抵抗がなくなりました。ハート喘ぎは人を選ぶものなのでこの本の原稿以降は毎回は使わないと決めましたが、淫語は本当に躊躇いなく書けるようになってしまったので、環壮ってすごいなぁと思います。

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